事前準備

1. これまでに受けた予防接種の確認とUP-TO-DATE

小児期にいろいろな予防接種を何回も受けていますが、長年経過すると免疫が低下するの、で一定期間後に追加接種が必要になります。接種を受けていない場合などには基礎免疫からやり直しになります。麻疹、風疹などの生ワクチンは1回とされていましたが現在は2回とされています。
母子手帳に記載されている定期接種は必ず確認してください。
日本の予防接種は国立感染症研究所のウエブサイトに一覧表で示されています。最近かなり頻繁に改定されていますが過去の表にもアクセスが可能です。
米国CDCのサイトに米国の予防接種の一覧表が掲示されています。

2. 渡航先で必要な予防接種の選択

渡航先の感染症情報を入手し、滞在地の衛生環境、業務、滞在期間、参考資料などを検討して必要な予防接種を選び、①で検討したUP-TO-DATEが必要な予防接種を加えます。

表1.予防接種と予防薬の地域別参考表

大洋州 破傷風を含む製剤、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、コレラ、新型コロナ、マラリア予防薬など
アジア 破傷風を含む製剤、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、髄膜炎、ポリオ、コレラ、新型コロナ、マラリア予防薬など
中近東 破傷風を含む製剤、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、髄膜炎、ポリオ、コレラ、新型コロナ、マラリア予防薬など
アフリカ 破傷風を含む製剤、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、髄膜炎、ポリオ、コレラ、黄熱、新型コロナ、マラリア予防薬など
東欧 破傷風を含む製剤、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、髄膜炎、ダニ媒介性脳炎、新型コロナなど
西欧 破傷風を含む製剤、A型肝炎、B型肝炎、髄膜炎、ダニ媒介性脳炎、新型コロナなど
北米 破傷風を含む製剤、A型t肝炎、B型肝炎、狂犬病、髄膜炎、新型コロナなど
中米 破傷風を含む製剤、A型t肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、髄膜炎、」コレラ、新型コロナ、マラリア予防薬など
南米 破傷風を含む製剤、A型t肝炎、B型肝炎、狂犬病、腸チフス、髄膜炎、」コレラ、黄熱、新型コロナ、マラリア予防薬など

3.予防接種計画書は医師と共同作業

予防接種を毎日受けることは出来ません。次の予防接種までの期間は、不活化ワクチンは1週間以上、生ワクチンは4週間以上、臨時予防接種の新型コロナは2週以上と決まっています。
一回に一種類ずつ受けていると出発までに終らないことがあるので、表2の予防接種の間隔を参考にして表3-5の様な複数同時接種計画表を作ります。4種類程度の同時予防接種により副作用が特に強くなることはありません。
当院ではご希望をお聞きして丁寧に説明し、ご納得の上で、予防接種計画を作成します。

表2.主な海外渡航予防接種の間隔

区分 疾患、製剤、抗原 基礎免疫 初回追加 以後の追加
初回 1週後 4週後 6月~1年後
定期接種の
UP-TO-DATE
破傷風を含む製剤:TT、DTaP   10年毎
日本脳炎、エンセバック:JEˍInactd   5-10年毎
麻疹・風疹混合:MR、麻疹:Measles、風疹:Rubella, おたふくかぜ:Mumps、水痘:Varicellaなどは4週以上の間隔が必要
不活化ポリオ、イモバックスポリオ:IPV   長期間経過後に1回
経口感染性疾患 A型肝炎、エイムゲン:HepA 1回 10年毎
腸チフス、Typhim Vi:Typhoid 1回 3年後 3年毎
その他の疾患 B型肝炎、ビームゲン、Enjerix-B:HepB   10年毎
狂犬病、ラビピュール、Verorab:Rabies 5年毎
ダニ媒介脳炎、FSME-IMMUN:TBE   5-10年毎
新型コロナ:Covid-19   6月後?
髄膜炎:MenACWY-135 conj 1回 5年後?
黄熱:(YF)  1回(検疫所等で接種、生ワクチンなので4週以上の間隔が必要)

表3.予防接種計画表(例1)

破傷風の追加とMRの2回目、A型肝炎、腸チフス、B型肝炎、狂犬病、黄熱の7種類が必要な赴任例 (新型コロナ2回終了、マラリア予防薬希望)
接種場所:4週後までの接種は当院。黄熱は検疫所など。6月-1年後の接種は赴任先又は一時帰国時。その後は再赴任時。

区分 疾患、製剤:抗原 接種・投薬日
開始日 1週後 4週後 9週以降 6月-1年後 3年後 6年後 10年後
定期接種の
UP-TO-DATE
破傷風を含む製剤            
麻疹、風疹:MR     MR          
経口感染性疾患 A型肝炎:エイムゲン          
腸チフス:Typhim Vi        
その他の疾患 B型肝炎:ビームゲンなど        
狂犬病:Verorabなど    
黄熱(接種は検疫所)              
マラリア予防薬(受取)              

表4.予防接種計画表(例2)

日本脳炎の追加、破傷風、A型肝炎、腸チフス、B型肝炎、狂犬病の6種類が必要赴任例 (新型コロナ2回修了)
接種場所:4週後までの接種は当院。6月-1年後の接種は赴任先又は一時帰国時。その後は再赴任時。

区分 疾患、製剤:抗原 接種日
開始日 1週後 4週後 5週後 6月-1年後 3年後 6年後 10年後
定期接種の
UP-TO-DATE
破傷風を含む製剤        
日本脳炎:エンセバックなど            
経口感染性疾患 A型肝炎:エイムゲン          
腸チフス:Typhim Vi        
その他の疾患 B型肝炎:ビームゲンなど        
狂犬病:Verorabなど    

表5.予防接種計画表(例3)

破傷風と日本脳炎の追加、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、新型コロナの6種類が必要な出張例
接種場所:4週後までの接種は当院。6月と10後の接種は職域接種。6月~1年後は出張先又は一時帰国時。その後は再出張時。

区分 疾患、製剤:抗原 接種日
開始日 1週後 4週後 6週後 10週後 6月-1年後 5年後 10年後
定期接種のUP-TO-DATE 破傷風を含む製剤            
日本脳炎:エンセバックなど            
経口感染性疾患 A型肝炎:エイムゲン          
その他の疾患 B型肝炎:ビームゲンなどB        
狂犬病:Verorabなど    
新型コロナ(職域接種など)      

接種当日の確認事項

1. 予防接種不可

2. 要事前相談

3. 接種後の注意事項 

アナフィラキシーの危険性

接種直後の異常反応はアナフィラキシーの危険信号(頻度:0.1%未満)
接種数分後から30分後の間の、どうき、かゆみ、耳鳴り、じんましん、咳、くしゃみ、腹痛、吐き気などの異常症状はアナフィラキシーに発展する危険信号であり、エピネフリン注射とかステロイド治療が必要になる。
出現しなければ問題はない。

通常の副反応

接種の数時間後から2~3日の間の副反応(頻度:0.1~数%)
主な症状は、頭痛、発熱、発疹、腹痛、倦怠感、注射部位の、発赤、腫れ、かゆみ、痛みなど
このような症状は放置しても2‐3日で消滅
注射部位の「しこり」とか出血斑は1‐2週間で消滅

重い副反応(頻度不明)

インフルエンザワクチンの添付文書に急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギランバレー症候群などの重大な中枢神経副反応の記載があり。頻度は0.1%未満又は不明とされている。
旧マウス脳由来の日本脳炎ワクチンでは100-300万回に1回程度発生し、動物臓器由来成分との関連が疑われ、製造が中止された。現在の細胞培養日本脳炎ワクチンは安全と考えられている。
万一、激しい頭痛、高熱、けいれん、意識混濁、しびれ、麻痺などが現れた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。

接種当日の行動

はげしい運動や深酒は禁止。入浴は差し支えない。翌日から普段通りの生活。

緊急時の連絡

042-628-4935(森次医院)。 電話が繋がらない場合は最寄りの医療機関に受診してください。


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