森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア活動、観光など、海外 旅行のための予防接種や健康相談などを専門に行っています。

感染症情報

性感染症及び血液感染症

1.ウイルス感染症
HIV・エイズ(HIV/AIDS)

病原体:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
ワクチン:なし
治療薬:AZTなどの抗ウイルス剤
感染源:感染者、感染者の血液、精液、膣分泌物などです。
感染経路:HIVは感染者との性交渉、輸血、血液製剤、薬物の回し射ちなどで感染します。感染している妊婦から産まれた児も感染します。
主な症状:HIVに感染すると約1か月後に発熱、倦怠感、などの風邪を引いたような症状が出ることがありますが、すぐ治ります。無症状の場合もあります。その後は長い潜伏期があります。潜伏期間中に徐々にウイルスが増えて白血球が殺され、免疫力が低下して風邪などの感染症に罹りやすいとか、治り難い状態になります。更に進むと特殊な癌とか脳や神経の症状が出るようになり、合併症などで死亡します。死に至るまでの期間は不定です。
治療法:HIVの増殖を抑える抗HIV剤を使います。合併症にはそれぞれに有効な治療を行います。一種類の抗ウイルス剤を使用しているとウイルスが薬剤耐性変異を獲得しやすいので、数種類の薬を混ぜたカクテル療法が行われます。坑ウイルス療法が効いている間はウイルスが抑えられ、免疫力が回復するので症状は出ません。しかしウイルスが消滅したわけではないので、服薬を中止すると再発します。ウイルスが薬剤耐性を獲得した場合も同様です。HIV感染者は、生涯、薬の効果を確認しながら服薬を続けることになります。
予防法:血液のHIV検査体制を確立すれば輸血による感染を防止できす。HIVは伝染力が弱いウイルスです。HIV感染者と一回の性交渉を持った場合の感染率は0.1〜1.0%とされているので、統計的には、100回以上の性交渉で感染することになります。コンドームの使用が効果的です。薬物の回し射は大変危険です。薬物に手を出さないことが肝要です。母児間の垂直感染は抗HIV剤の使用などで遮断できます。


B型肝炎

病原体:B型肝炎ウイルス
ワクチン:B型肝炎ワクチン
治療薬:インターフェロンなど
感染源:B型肝炎ウイルスの保持者、血液、体液などです。
分布:世界中に分布していますが、途上国などに多い病気です。
感染経路:B型肝炎の主な感染経路には母児間の垂直感染と輸血とか性交渉などの水平感染があります。刺青、ハリ治療、注射器の反復使用、歯科治療などでも感染します。ウイルスは肝臓で増え、血流に乗って循環していますが、若年の感染者は、血液1ml中に108〜9個の膨大なウイルスを持っています。このような感染力が非常に強い相手と性交渉を持つと簡単に感染します。この様な感染者が妊婦の場合には出産時に児が感染します。B型肝炎は、元来、母児間の垂直感染により伝えられた病気なので、民族とか地域により、ウイルスの性質などに特徴があります。
主な症状:潜伏期間は約3か月ですが、感染年齢により病気の現れ方と進行に違いがあり、日本では4歳未満の幼児は無症状のキャリアーになるとされています。無症状キャリアーの状態は20歳頃まで続き、その後、GOT/GPTなどが上下する不安定な時期が始まります。30歳頃までに血液中のウイルス量が消失するか激減します。ウイルスが消失した場合は治癒です。激減した場合は感染力が弱い健康なキャリアーです。しかし、一部のキャリアーは慢性肝炎状態になり、長い年月の後で肝硬変とか肝癌を発症します。5歳以上になって感染した場合にはキャリアーになりません。大部分は無症状か軽症で自然に治りますが、大人になって感染すると20〜30%が急性肝炎を発症します。急性B型肝炎の症状はA型肝炎より軽く、経過が長い特徴があります。B型急性肝炎は発熱を伴いで発病しますが、約2%が劇症肝炎を起こすとされています。外国には大人の感染からキャリアー化する特殊なウイルスが存在します。当初は国外で受けた感染から慢性肝炎が発生して問題になっていましたが、最近、国内に定着し、国内感染による慢性肝炎が発生しています。
治療:急性肝炎は安静と肝臓の庇護が原則です。慢性肝炎にはインターフェロン治療などが行われますが、根治しません。B型肝炎は治りにくい厄介な病気です。
予防:外国で生活する場合には、輸血や注射による感染を避けるために、病院や医師を選ぶ必要があります。散髪や髭剃りも同じです。不特定の相手と性交渉を持つのは危険です。HIV感染は100回以上の性交渉によると言われていますが、B型肝炎は相手の感染力が強い場合には1回の性交渉でも感染する危険があります。HIVと同様にコンドームを使用すれば感染の危険が少なくなります。途上国では輸血や注射による感染の危険もあります。外国に滞在する人にはB型肝炎予防接種がお勧めです。日本では組換えワクチンが製造されていますが、キャリアーの妊婦から産まれた児の予防接種などに使用され、顕著な効果が認められています。

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C型肝炎

病原体:C型肝炎ウイルス
ワクチン:なし
治療薬:インターフェロンなど。
感染源:輸血、血液製剤、汚染注射器など。
分布:世界中に分布しています。
感染経路:C型肝炎は血液から感染します。薬物の回し射ちとかハリ治療などでも感染しますが、感染力が弱いので、通常、性交渉では感染しません。母児感染もほとんどありません。
主な症状:感染しても症状が出ない場合が多いとされています。症状が現われてもB型肝炎より更に弱いとされています。感染した場合には自然に治る例は少なく、持続感染の状態になります。持続感染になっても自覚症状はほとんどありません。血液検査によりGOT・GPTなどの肝機能の数字が少し高めになる程度です。C型肝炎抗体とかウイルス核酸の検出により診断が確定します。何事も無く一生を終わる場合もありますが、慢性肝炎状態になると非常に厄介です。徐々に肝臓の繊維化が進行し、肝硬変の状態になると肝癌が発生する危険があります。C慢性肝炎には肝臓の庇護治療が行われます。インターフェロン治療などにより完治する場合もあります。完治しなくても肝硬変の進行が止まるとか、肝癌の発生が遅れるなどの効果が期待されます。C型肝炎の感染予防には医師と医療機関の選択が重要です。外国で刺青とか鍼治療を受けるのは危険です。


子宮頸癌

病原体:パピローマウイルス
ワクチン:組換えワクチン
治療法:外科手術など
パピローマウイルスはイボの原因ウイルスです。このウイルスには性交渉で感染して尖圭コンジロームという良性腫瘍を起すものや子宮頸癌を起すものが含まれます。初期癌には切除などの外科的治療とか放射線治療が行われます。最近、子宮頸癌を起しやすい4種類のヒトパピローマウイルス(6型、11型、16型、18型)の組換えワクチンが開発されました。新ワクチンは米国などで承認され、定期予防接種が開始されています。


陰部ヘルペス

ヘルペスウイルスは口唇部などのヘルペス水泡、神経炎などを起すウイルスですが、性交渉により感染し、性器の皮膚や粘膜にヘルペス水泡を起す場合があります。ワクチンはありません。コンドームの使用により予防し、抗ウイルス剤入りの軟膏などで治療します。


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2.細菌感染症
淋病

淋菌は粘膜細胞に親和性のある非常に弱い菌です。性交渉以外では感染しません。感染すると尿道炎などが起きます。ワクチンはありません。予防はコンドームの使用、治療は抗菌剤などです。


クラミジア感染症

クラミジアは粘膜細胞に感染する病原体です。トラコーマなどの眼病の病原体として知られていましたが、性器の粘膜にも感染します。性交渉で感染すると尿道炎などを起します。ワクチンはありません。予防はコンドームの使用、治療は抗菌剤などです。


梅毒

梅毒トレポネーマの感染症で、治療しないと中枢神経が侵されます。主に性交渉で感染しますが、輸血などでも感染します。ワクチンはありません。性交渉による感染はコンドームの使用で予防します。輸血用血液は抗体検査を行います。ペニシリンなどで治療します。


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