森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

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アフリカ西部の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 

ベナン、ブルキナファソ、ケープベルデ諸島、コートジボワール、ガンビア、ガーナ、
ギニア、ギニアビサウ、リベリア、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、
サントメ・プリンシペ、セネガル、シエラレオーネ、トーゴー

 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

この地域は全体がA型肝炎、B型肝炎、腸チフス、コレラ、狂犬病などのリスク地です。ケープベルデ諸島を除く全域が黄熱のリスク地です。
セネガル、ガンビア、マリ、コートジボワール、ブルキナファソ、ガーナ、トーゴー、ベナン、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンなどは髄膜炎ベルト地帯に含まれ、11月から6月までの乾期に髄膜炎が多発します。
ナイジェリアとニジェールは野生ポリオの常在地です。コートジボワール、ブルキナファソ、ベナン、マリ、トーゴーなどでも野生ポリオ患者が発生しています。
この地域では麻疹にに対する注意が必要です。
日本脳炎のリスクはありません。

 
3.お勧めの予防接種
 

黄熱

短期旅行者を含む全旅行者

破傷風トキソイド

短期旅行者を含む全旅行者

A型肝炎

短期旅行者を含む全旅行者

B型肝炎

1か月以上の滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

腸チフス

短期旅行者を含む全旅行者

狂犬病

1か月以上の滞在予定者
サイクリング、ハイキング、キャンピングその他の野外活動を計画している旅行者、野生動物保護活動家、獣医師、動物に興味を持つ幼児などは短期でも推奨

髄膜炎

セネガル、ガンビア、マリ、コートジボワール、ブルキナファソ、ガーナ、トーゴー、ベナン、ニジェール、ナイジェリア、カメルーンなどに6か月以上の滞在予定者
12月から6月までの流行期に同地域を旅行する場合は短期でも推奨
推奨ワクチンはA、C、Y、W135の4群を含む結合製剤又は多糖体製剤

ポリオ

1975−1977年生れの旅行者は追加接種が必要です。目的地がナイジェリアとニジェールの場合は全旅行者

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた20歳未満の人
特に発病歴が無い人

コレラ

流行情報に注意し、リスク時には経口製剤

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし)

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種(接種時期、回数)
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより異なります。下表の予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

 

黄熱

1歳以上

BCG

0−6月 (1回)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
渡航先がナイジェリアとニジェール場合は3回目
他の地域の場合も望ましい

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
現地のワクチンは百日咳菌体を混合したDTwP

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
この地域の製剤はTd

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
現地の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

狂犬病

年齢規定なし

コレラ

2歳以上

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から開始して2回接種する製剤と、生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種がある
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月以上

 
4.マラリア
 

この地域は全域が熱帯熱マラリアのリスク地です。
マラリアの主な症状は発熱、悪寒、発汗、頭痛、体の痛み、嘔気・嘔吐、疲労感などですが、熱帯熱は脳症を併発して死亡することがあり、非常に危険です。
長袖の衣服、蚊取り線香、昆虫忌避剤、蚊帳の使用など、蚊に刺されないための用心と予防薬の準備が必要です。
僻地に滞在する際には緊急待機治療薬を携行する必要があります。
メフロキン、ビブラマイシンなど一部の予防薬は日本で購入できます。
外国で購入する場合は偽薬に注意してください。

 
5.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

この地域は、赤痢、腸チフス、コレラ、病原性大腸菌感染症、アメーバ赤痢、ジアルジア症などの多種の経口感染性疾患のリスク地です。旅行中はストレスを避け、食事の前に手を洗い、沸騰させた湯、瓶詰めの水、炭酸飲料などを飲み、十分に加熱調理された食事を摂るなどの注意が必要です。生水を飲んではいけません。氷も危険です。

昆虫媒介感染症

この地域には、マラリア、デング熱、フィラリア症、オンコセルカ症などの蚊が媒介する疾患、ツェツェバエが媒介するアフリカ睡眠病、サシチョウバエが媒介するリューシマニア症などが存在します。これらの昆虫媒介性疾患の感染を防ぐためには、長ズボン、長袖シャツ、帽子の着用、昆虫避けスプレー剤とか蚊取り線香の使用などにより、虫刺されから身を守る必要があります。エアコンとか昆虫避けの網戸が設置された部屋の使用、ペルメトリン処理が施された蚊帳の使用なども重要です。

動物からの感染症

この地域の代表的な動物由来感染症は狂犬病です。野犬、その他の野生動物は勿論危険ですが、飼い犬、飼いネコ、その他の一見健康そうに見えるペット類も危険です。咬まれたり、引掻かれたりした場合には、直ちに石鹸でよく洗い、医師のところに駆け付けて、手当てを受けてください。狂犬病の予防接種を受けていても、咬まれた場合には追加接種が必要です。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎、HIV/AIDS、クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス感染症など多くの病気があります。
空気・飛沫感染症 髄膜炎には特定の地域と時期がありますが、全体的に肺結核のリスク地です。感染の疑いが生じた場合には健康診断を受けてください。

経皮感染症

住血吸虫症、レプトスピラ症などが存在するので河川とか湖に素足で入るのは危険です。水泳は勿論危険ですが、激流下りなどのスポーツも危険です。
 
6.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報(抜粋)
 
2008年にギニアビサウでコレラが発生 (5−9月の累計:7,166人、死亡:133人)
2008年にギニアで黄熱が発生 (擬似症例:14人、確定:2人)
2008年にブルキナファソで黄熱が発生 (確定:2人、死亡:1人)
2008年にコートジボワールで黄熱が発生 (発症:9人、確定:5人)
2008年にナイジェリアで1型麻痺ポリオが発生
原因ウイルスは2003‐7年と同じ遺伝子型
2008年にリベリアで黄熱が発生 (確定:2人、死亡1人)
2008年1‐2月にブルキナファソ、及び、他の髄膜炎ベルト地域で髄膜炎が発生
ブルキナファソ(発病:1,422人、死亡204人) 
その他の地域(発病:899人、死亡:120人)
2007年にナイジェリアでトリインフルエンザA/H5N1患者が発生
(発病:1人、死亡1人)
2007年にブルキナファソで髄膜炎が発生 (発病:22255人、死亡:1490人)
2006年にトーゴーで黄熱が発生 (確定数2人)
2006年のベルト地帯の髄膜炎発生状況 (発病:5719人、死亡:780人)
2005年のアフリカ西部地域のコレラ発生状況 (発病:43638人、死亡:759人)
2005年にナイジェリアで麻疹が発生 (発病:1118人、死亡:76人)
2005年にマリ、ギニア、ブルキナファソなどで黄熱が発生
(発病:176人、死亡:52人)
2004年にシエラレオーネでラッサ熱が発生 (詳細不明)
2003年にギニアで黄熱が発生 (発病:43人、死亡:24人)
2003年にモーリタニアでクリミア・コンゴ出血熱が発生 (発病:35人、死亡:6人)
2003年にコートジボワール、リベリアでコレラが発生 (発病:18108人)
2003年にニジェール、ブルキナファソで髄膜炎が発生 
(発病:9202人、死亡:1253人)
2002年にブルキナファソで髄膜炎が発生 (発病:12587人、死亡:1447人)
2002年にコートジボワールでコレラが発生 (発病:581人、死亡:19人)
2002年にセネガルで黄熱が発生 (発病:60人、死亡:11人)
2001年にギニア、コートジボワールで黄熱が発生 (発病:198人、死亡:24人)
2001年にアフリカ西部地域でコレラが発生 (発病:3621人、死亡:193人)