森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

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オセアニア島峡地域の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 

クリスマス島、クック諸島、フィージ、フランス領ポリネシア、グアム、キリバチ、
マーシャル群島、ミクロネシア連邦、ナウル、ニューカレドニア、ニウエ、
北マリアナ諸島、パラオ、パプアニューギニア、ピトケアン、サモア、ソロモン群島、
トケラウ諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ、ウェーク島

 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

この地域はA型肝炎、B型肝炎、腸チフスなどのリスク地です。
パプアニューギニア、グアム、北マリアナ諸島などでは日本脳炎のリスクがあります。
麻疹ワクチン接種が不十分な地域があり、麻疹のリスクが懸念されます。
狂犬病のリスク地はありません。
野生ポリオのリスク地もありません。
黄熱のリスクもありません。

 
3.お勧めの予防接種
 

破傷風

短期旅行者を含む全旅行者

A型肝炎

短期旅行者を含む全旅行者

B型肝炎

1か月以上の滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

腸チフス

短期旅行者を含む全旅行者

髄膜炎

旅行者のリスクは低いと思いますが、流行情報に注意
リスクが生じた場合は四価(A/C/Y/W135)製剤が適当

コレラ

この地域の旅行者は流行情報に注意する必要があります。
(危険がある場合には経口ワクチンを推奨)

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた人、
特に20歳未満の発病歴が無い人

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし)

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種(接種時期、回数)
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより違います。下表に示した予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

 

BCG

0−6月 (1回)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
国際校に入学する場合に3回目が必要なことがある
この地域はOPV

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
この地域はDTwP

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
この地域の製剤ははTd

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
現地の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

コレラ

2歳以上

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から開始して2回接種する製剤と、生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種がある
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月齢以上

5.マラリア
 

パプアニューギニアの標高1800メートル以下の低地、ソロモン群島、バヌアツなどには熱帯熱マラリアのリスク地があります。
マラリアの主な症状は発熱、悪寒、発汗、頭痛、体の痛み、嘔気・嘔吐、疲労感などですが熱帯熱は脳症を併発して死亡することがあるので、非常に危険です。
長袖の衣服、蚊取り線香、昆虫忌避剤、蚊帳の使用など、蚊に刺されないための用心と予防薬の準備が必要です。
僻地に滞在する際には緊急待機治療薬を携行する必要があります。
メフロキン、ビブラマイシンなど一部の予防薬は日本で購入できます。
外国で購入する場合は偽薬に注意してください。

 
5.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

この地域には、赤痢、病原性大腸菌感染症、アメーバ赤痢、ジアルジア症などのリスクがあります。ストレスを避け、食事の前に手を洗い、沸騰させた湯、瓶詰めの水、炭酸飲料などを飲み、十分に加熱調理された食事を摂るなどの注意が必要です。生水を飲んではいけません。氷も危険です。

昆虫媒介感染症

この地域は、マラリア、デング熱、フィラリア症などの蚊が媒介する疾患のリスク地です。長ズボン、長袖シャツ、帽子の着用、昆虫避けスプレー剤とか蚊取り線香の使用などにより、虫刺されから身を守る必要があります。エアコンとか昆虫避けの網戸が設置された部屋の使用、ペルメトリン処理が施された蚊帳の使用なども重要です。

動物からの感染症

特に注意しなければならないものは無いようです。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎、HIV/AIDS、クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス感染症など多くの病気があります。
空気・飛沫感染症 肺結核に注意する必要があります。感染の疑いが生じた場合には健康診断を受けてください。

経皮感染症

レプトスピラ症のリスク地があります。リスク地の河川とか湖に素足で入るのは危険です。水泳は勿論危険ですが、激流下りなどのスポーツも危険です。
 
6.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報(抜粋)
 
2005年に東チモールでデング熱が発生 (入院:336人、死亡:22人)
2000年にミクロネシア連邦でコレラが発生 (発病:約2700人、死亡:15人)
1999年にフィージのリゾート地でコレラ患者が発生した。