森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

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北米の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 

カナダ、アメリカ合衆国

 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

狂犬病ウイルスに感染した野生動物が生息しています。
ロッキー山地にペスト菌保有動物が生息しています。
日本脳炎、黄熱などのリスクはありません。
野生ポリオ、麻しん、風しんなども撲滅されています。

 
3.お勧めの予防接種
 

破傷風

短期旅行者を含む全旅行者

A型肝炎

小児期の定期接種が行われているが、一般旅行者は必要なし

B型肝炎

長期滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

狂犬病

長期滞在予定者

髄膜炎

単価製剤(MenC)、四価(A/C/Y/W125)製剤などの定期接種が行われているが、一般旅行者は必要なし

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた人、
特に20歳未満の発病歴が無い人
(旅行先でのリスクはないが、出発前に日本で感染して現地で発病する例があり、警戒されている。)

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし)

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種(接種時期、回数)
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより違います。下表に示した予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

 

BCG

必要なし (北米では行われていない)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
就学希望者は3回目を受けておくこと
この地域は不活化製剤(IPV)

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
この地域の製剤はDTaP
(実際はDTaPにHib、IPVなどを加えた製品)

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
この地域の製剤はTdap

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
この地域の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

狂犬病

年齢規定なし

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から2回接種する製剤
生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種類
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月齢以上

 
5.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

腸管出血性大腸菌(O157)感染症のリスク地ですが旅行者が感染することはほとんどありません。その他の感染性下痢症も稀です。

昆虫媒介感染症

最近、北米全土に西ナイル熱が広がりました。また米国南部では夏季にデング熱が発生しています。これらの感染症の発生状況に注意し、危険が報じられた際には蚊にさされない注意と対策が必要になります。

動物からの感染症

この地域の代表的な動物由来感染症は狂犬病です。野生のアライグマ、リス、コウモリなどに咬まれたり、引掻かれたりした場合には、直ちに石鹸でよく洗い、医師のところに駆け付けて、手当てを受けてください。狂犬病の予防接種を受けていても、追加接種が必要です。北米各地にハンタウイルスに感染している小動物が生息していますが、ヒトへの感染は稀とされています。ロッキー山地にペスト菌に感染したげっ歯類が生息しています。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎、HIV/AIDS、その他の性感染症が同性愛者間に多発したことがあります。
空気・飛沫感染症 最近、多剤抵抗性肺結核が問題にされていますが、今のところ感染リスクは高くない様です。米国南西部にはコクチジオイドマイコーシスという危険なカビ病のリスク地があります。ミシシッピ河、オハイオ河、セントローレンス河流域はヒストプラズマ症のリスク地です。

経皮感染症

ほとんど問題はありません。
 
6.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報(抜粋)
2007年に高度多剤抵抗性肺結核患者の国際便搭乗問題が発生
2006年に米国とカナダで野菜ジュースによるボツリヌス菌中毒が発生
(発病:4人)
2004年に米国でサルモネラエンテリティデス(SE)による食中毒が発生
(発病:30人)
2002年に米国で西ナイル熱が発生
(発病:3734人、死亡:214人)
2002年にカナダで西ナイル熱が発生しました。
(発病:141人、死亡:2人)
2001年に米国で炭疽が発生
(発病:23人、死亡:5人)
2000年にマレーシア(サバ州)でのEco-Challenge Race参加者(米国人と
カナダ人)にレプトスピラ症が発生 (発病:43人)
2000年にカナダで腸管出血性大腸菌O157感染症が発生
(入院:27人、死亡:5人)