森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

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アフリカ北部の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 

アルジェリア、エジプト、リビア、モロッコ、チュ二ジア

 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

この地域はA型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病などのリスク地です。
黄熱のリスク地域はありませんがリスク国から入国する際にはイエローカードが必要です。
アルジェリアにペストのリスク地域がある様です。
麻疹のリスクがあります。
野生ポリオのリスクはありません。
日本脳炎のリスクはありません。

 
3.お勧めの予防接種
 

破傷風

短期旅行者を含む全旅行者

A型肝炎

短期旅行者を含む全旅行者

B型肝炎

1か月以上の滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

腸チフス

短期旅行者を含む全旅行者

狂犬病

1か月以上の滞在予定者
サイクリング、ハイキング、キャンピングその他の野外活動を計画している旅行者、野生動物保護活動家と獣医師、動物に興味を持つ幼児などは短期でも推奨

コレラ

流行情報に注意し、リスク発生時には経口製剤

ペスト

アルジェリアでげっ歯類の調査研究に従事する場合

ポリオ

1975−1977年生れの人、及び、アフガニスタン、パキスタン、インド、バングラデシュ、ネパールなどへの旅行者は追加接種が必要

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた人、
特に20歳未満の発病歴が無い人

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし)

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種(接種時期、回数)
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより違います。下表に示した予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

BCG

0−6月 (1回)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
国際校に入学する場合に3回目が必要なことがある
この地域の製剤はOPV

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
この地域の製剤はDTwP

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
外国ではTd又はTdapが多い

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
現地の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

狂犬病

年齢規定なし

コレラ

2歳以上

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から開始して2回接種する製剤と、生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種がある
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月齢以上

 
5.マラリア
 
マラリアのリスク地はありません。
防蚊対策、予防薬、緊急待機治療薬などの準備は無用とされています。
 
6.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

この地域は、赤痢、腸チフス、コレラ、病原性大腸菌感染症、アメーバ赤痢、ジアルジア症などの多種の経口感染性疾患のリスク地です。
旅行中はストレスを避け、食事の前に手を洗い、沸騰させた湯、瓶詰めの水、炭酸飲料などを飲み、十分に加熱調理された食事を摂るなどの注意が必要です。生水を飲んではいけません。氷も危険です。

昆虫媒介感染症

この地域には、デング熱、フィラリア症、などの蚊が媒介する疾患、サシチョウバエが媒介するリューシマニア症などが存在します。この地域のリューシマニア症は大部分が皮膚型です。これらの昆虫媒介性疾患に感染しないためには、長ズボン、長袖シャツ、帽子の着用、昆虫避けスプレー剤とか蚊取り線香の使用などにより、虫刺されから身を守る必要があります。エアコンとか昆虫避けの網戸が設置された部屋の使用、ペルメトリン処理が施された蚊帳の使用なども重要です。

動物からの感染症

この地域の代表的な動物由来感染症は狂犬病です。野犬、その他の野生動物は勿論危険ですが、飼い犬、飼いネコ、その他の一見健康そうに見えるペット類も危険です。咬まれたり、引掻かれたりした場合には、直ちに石鹸でよく洗い、医師のところに駆け付けて、手当てを受けてください。狂犬病の予防接種を受けていても、咬まれた場合には追加接種が必要です。アルジェリアでは腺ペストとかペスト敗血症が発生したことがあります。
エジプトではトリインフルエンザ(H5N1)患者の発生が続いています。旅行者には特に問題はありませんが、発生情報に注意してください。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎とC型肝炎に注意してください。エジプトではC型肝炎ウイルスの保有率が15%とされているので特に注意してください。その他、HIV/AIDS、クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス感染症などにも注意が必要です。
空気・飛沫感染症 肺結核が多い地域です。長期滞在者は定期健診が必要です。短期の旅行者も感染の疑いが生じた場合には健康診断を受けてください。

経皮感染症

住血吸虫症が存在するので河川とか湖に素足で入るのは危険です。水泳は勿論危険ですが、激流下りなどのスポーツも危険です。
 
7.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報(抜粋)
 
2006年からエジプトでトリインフルエンザ(A/H5N1)ウイルス感染者が発生中
(2009年2月までの発病:55人、死亡:23人)
2003年にアルジェリアでペストが発生
(リンパ腫型:8人、敗血症:2人、死亡1人)
2000年にハジ巡礼に出かけたモロッコ人の間にに髄膜炎が発生