森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

お問い合せ
HOME
渡航先の健康情報
東アジア
東南アジア地域
南アジア地域
中近東
北部アフリカ地域
東部アフリカ地域
中部アフリカ地域
西部アフリカ地域
南部アフリカ地域
西欧
東欧
北米
中米
カリブ海地域
南米熱帯地域
南米温帯地域
オセアニア島峡地域
豪州・ニュージーランド
予防接種の受け方
ワクチン情報
感染症の予防対策
感染症情報
診療案内

お問い合せはこちら
渡航先の健康情報

アジア南部の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 

アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、ネパール、モルジブ、
パキスタン、スリランカ

 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

この地域はA型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病、コレラなどのリスク地です。
アフガニスタン以外は日本脳炎のリスク地域です。
黄熱のリスク地域はありませんがリスク国から入国する際にはイエローカードが必要です。
アフガニスタン、パキスタン、インド、バングラデシュ、ネパールなどは野生ポリオの常在地で、毎年数百人の麻痺患者が発生しています。
この地域は麻疹の常在地です。

 
3.お勧めの予防接種
 

破傷風

短期旅行者を含む全旅行者

日本脳炎

目的地がアフガニスタン以外の旅行者

A型肝炎

短期旅行者を含む全旅行者

B型肝炎

1か月以上の滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

腸チフス

短期旅行者を含む全旅行者

狂犬病

1か月以上の滞在予定者
サイクリング、ハイキング、キャンピングその他の野外活動を計画している旅行者、野生動物保護活動家と獣医師、動物に興味を持つ幼児などは短期でも推奨

コレラ

流行情報に注意し、リスク発生時には経口製剤

ポリオ

1975−1977年生れの人、及び、アフガニスタン、パキスタン、インド、バングラデシュ、ネパールなどへの旅行者は追加接種が必要

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた人、
特に20歳未満の発病歴が無い人

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし)

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種(接種時期、回数)
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより違います。下表に示した予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

BCG

0−6月 (1回)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
国際校に入学する場合に3回目が必要なことがある
この地域の製剤はOPV

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
この地域で使用されている製剤はDTwP

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
外国ではTd又はTdapが多い

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
現地の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

日本脳炎

6月齢以上3回(通常、3歳時に開始)、4回以降の追加は5年毎
2009年に細胞培養不活化ワクチンが認可された

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

狂犬病

年齢規定なし

コレラ

2歳以上

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から開始して2回接種する製剤と、生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種がある
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月齢以上

 
5.マラリア
 

標高2000メートル以下は熱帯熱マラリアのリスク地です。
マラリアの主な症状は発熱、悪寒、発汗、頭痛、体の痛み、嘔気・嘔吐、疲労感などですが、熱帯熱は脳症を併発して死亡することがあり、非常に危険です。
長袖の衣服、蚊取り線香、昆虫忌避剤、蚊帳の使用など、蚊に刺されないための用心と予防薬の準備が必要です。
僻地に滞在する際には緊急待機治療薬を携行する必要があります。
メフロキン、ビブラマイシンなど一部の予防薬は日本で購入できます。
外国で購入する場合は偽薬に注意してください。

 
6.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

この地域は、赤痢、腸チフス、コレラ、病原性大腸菌感染症、アメーバ赤痢、ジアルジア症などの多種の経口感染性疾患のリスク地です。
旅行中はストレスを避け、食事の前に手を洗い、沸騰させた湯、瓶詰めの水、炭酸飲料などを飲み、十分に加熱調理された食事を摂るなどの注意が必要です。生水を飲んではいけません。氷も危険です。

昆虫媒介感染症

この地域には、マラリア、デング熱、フィラリア症、オンコセルカ症などの蚊が媒介する疾患、マダニが媒介するクリミヤ・コンゴ出血熱、サシチョウバエが媒介するリューシマニア症などが存在します。この地域のリューシマニア症には内臓型のカラアザールがあります。最近、蚊が媒介するチクングニア熱の大流行が発生しています。
これらの昆虫媒介性疾患に感染しないためには、長ズボン、長袖シャツ、帽子の着用、昆虫避けスプレー剤とか蚊取り線香の使用などにより、虫刺されから身を守る必要があります。エアコンとか昆虫避けの網戸が設置された部屋の使用、ペルメトリン処理が施された蚊帳の使用なども重要です。

動物からの感染症

この地域の代表的な動物由来感染症は狂犬病です。
野犬、その他の野生動物は勿論危険ですが、飼い犬、飼いネコ、その他の一見健康そうに見えるペット類も危険です。咬まれたり、引掻かれたりした場合には、直ちに石鹸でよく洗い、医師のところに駆け付けて、手当てを受けてください。狂犬病の予防接種を受けていても、咬まれた場合には追加接種が必要です。
この地域ではブタから感染するニパウイルス感染症が発生したことがあります。
腺ペストとか肺ペストが発生したこともあります。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎、HIV/AIDS、クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス感染症など多くの病気があります。この地域はHIV/AIDS感染が非常に多い地域なので特に注意してください。
空気・飛沫感染症 髄膜炎と肺ペストには特定の危険地域がありますが、肺結核は全体がリスク地域です。感染の疑いが生じた場合には健康診断を受けてください。

経皮感染症

住血吸虫症、レプトスピラ症などが存在するので河川とか湖に素足で入るのは危険です。水泳は勿論危険ですが、激流下りなどのスポーツも危険です。
 
7.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報(抜粋)
 
2007年からパキスタンとバングラデシュでトリインフルエンザA/H5N1患者が発生
 2009年2月末までの累積
 パキスタン(発病:3人、死亡:1人)、バングラデシュ(発病:1人、死亡:0人)
2006年にバングラデシュで野生ウイルスによる麻痺ポリオが発生
2006年にインド、モルジブなどでチクングニア熱が発生 (約125万人)
2006年にモルジブなどでデング熱が発生 (発病:602人、出血熱:64人)
2005年にインドで日本脳炎が発生 (発病:1145人、死亡:296人)
2000年からアフガニスタンでコレラが発生中
(2000年、発病:1604人、死亡:19人、2001年、発病:4499人、死亡:114人、2002年、発病:6691人、2005年、発病:3245人)
2005年にインドで髄膜炎が発生 (発病:405人、死亡:48人)
2005年にスリランカでウイルス性心筋炎が発生
2004年にバングラデシュでニパウイルス脳炎が発生 (発病:30人、死亡:18人)
2003年にアフガニスタンでジフテリアと百日咳が発生
2003年にインドでデング熱が発生 (確認患者数2185人)
2002年にインドで肺ペストが発生 (肺ペスト:16人、死亡4人)
2002年にパキスタンで皮膚型リューシマニアが多発 (発病:約5000人)
2001年にインドでコレラが発生 (発病:34111人、死亡:33人)
2000年にアフガニスタンでクリミア・コンゴ熱様の急性出血熱が発生
1998年にブータンでコレラが発生 (発病:13人)
1997年にネパールで日本脳炎が発生 (発病:1364人、死亡:84人)