森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

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アジア東部の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 

中国、香港、マカオ、台湾、モンゴル、北朝鮮、韓国

 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

この地域はA型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病などのリスク地です。
モンゴル以外は日本脳炎のリスク地域です。
大半が麻疹のリスクです。
黄熱のリスク地域はありませんが、リスク国から中国に入国する旅行者はイエローカードが必要です。
野生ポリオは撲滅されています。

 
3.お勧めの予防接種
 

破傷風

短期旅行者を含む全旅行者

日本脳炎

目的地がモンゴル以外の旅行者

A型肝炎

短期旅行者を含む全旅行者

B型肝炎

1か月以上の滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

腸チフス

短期旅行者を含む全旅行者

狂犬病

1か月以上の滞在予定者
サイクリング、ハイキング、キャンピングその他の野外活動を計画している旅行者、野生動物保護活動家と獣医師、動物に興味を持つ幼児などは短期でも推奨

コレラ

流行情報に注意し、リスク発生時には経口製剤

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた人、
特に20歳未満の発病歴が無い人

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし)

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種 (種類、推奨接種時期、回数)
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより違います。下表に示した予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

 

BCG

0−6月 (1回)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
国際校に入学する場合に3回目が必要なことがある

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
北朝鮮とモンゴルは百日咳菌体が混合されたDTwP
中国と韓国はDTwPとDTaPを併用

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
韓国ではTd

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
現地の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

日本脳炎

6月齢以上3回(通常、3歳時に開始)、4回以降の追加は5年毎
2009年に細胞培養不活化ワクチンが認可された
中国は弱毒生ワクチン

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

狂犬病

年齢規定なし

コレラ

2歳以上

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から開始して2回接種する製剤と、生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種がある
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月以上
中国の一部で単価A群製剤と二価AC製剤が使用されている模様

 
5.マラリア
 

中国には方々にマラリアが存在します。大部分は三日熱ですが、雲南省と海南島には熱帯熱が存在します。雲南省のミヤンマー国境地帯の熱帯熱はクロロキンとメフロキンに耐性です。
マラリアの主な症状は発熱、悪寒、発汗、頭痛、体の痛み、嘔気・嘔吐、疲労感などですが熱帯熱は脳症を併発して死亡することがあるので、非常に危険です。
長袖の衣服、蚊取り線香、昆虫忌避剤、蚊帳の使用など、蚊に刺されないための用心と予防薬の準備が必要です。
僻地に滞在する際には緊急待機治療薬を携行する必要があります。
メフロキン、ビブラマイシンなど一部の予防薬は日本で購入できます。
外国で購入する場合は偽薬に注意してください。

 
6.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

この地域は、赤痢、病原性大腸菌感染症、アメーバ赤痢、ジアルジア症などの多種の経口感染性疾患のリスク地です。旅行中はストレスを避け、食事の前に手を洗い、沸騰させた湯、瓶詰めの水、炭酸飲料などを飲み、十分に加熱調理された食事を摂るなどの注意が必要です。生水を飲んではいけません。氷も危険です。

昆虫媒介感染症

日本脳炎がこの地域の代表的な蚊媒介性疾患ですが、デング熱、フィラリア症、リューシマニア症なども重要です。中国北部と朝鮮半島にはダニ媒介性脳炎も存在します。サシチョウバエが媒介するリューシマニア症も広範囲に広がっています。マラリアを含め、これらの病気に感染しないためには、長ズボン、長袖シャツ、帽子の着用、昆虫避けスプレー剤とか蚊取り線香の使用などにより、虫刺されから身を守る必要があります。僻地では昆虫避けの網戸が設置された部屋とか蚊帳の使用なども必要になります。

動物からの感染症

重症急性呼吸器症候群(SARS)はコウモリが自然宿主と疑われています。中国では狂犬病の危険が拡大しています。野犬だけでなく、飼い犬、飼いネコ、その他の健常に見えるペット類も危険です。動物に咬まれたり、引掻かれたりした場合には、先ず傷口を石鹸でよく洗い、それから病院に駆け付け、手当てを受けるようにしてください。中国でトリインフルエンザ(H5N1)感染症の発生も続いています。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎、HIV/AIDS、クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス感染症など多くの病気があります。この地域にはB型肝炎とかHIV/AIDS感染が非常に多い。
空気・飛沫感染症 髄膜炎には特定の危険地域がありますが、肺結核は全体がリスク地域です。感染の疑いが生じた場合には健康診断を受けてください。

経皮感染症

広い地域に、住血吸虫症とかレプトスピラ症が存在するので。、河川とか湖に素足で入るのは危険です。水泳は勿論危険ですが、激流下りなどのスポーツも危険です。
 
7.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報(抜粋)
 
2009年1月末までの中国のH5N1感染  (累積感染数:37人、死亡:25人)
2008年3月から中国で安徽省阜陽市を中心に手足口病が発生
(4月末までの発病:1884人、死亡:20人)
2003年から中国でトリインフルエンザA/H5N1患者が発生中
(2008年7月までの発病:30人、死亡:20人)
2005年に中国四川省でブタのレンサ球菌感染症が発生 (発病:215人、死亡39人)
2003〜2004年に中国、香港などでSERSが発生 (発病:8200人以上、死亡:750人 )
2000-2001年に韓国で麻疹が発生 (発病:39537人、死亡:6人)