森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

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カリブ海地域の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 
 アンギーラ島、アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、バミューダ諸島、
 カイマーン諸島、キューバ、ドミニカ、ドミニカ共和国、グレナダ、ガドループ島、
 ハイチ、ジャマイカ、マルティニーク島、モントセラット島、オランダ領アンティル諸島、
 プエルトリコ、セントキッツ・ネビス、セントルシア、セントビンセントとグレナディーン
 諸島、トリニダード・トバゴ、バージン諸島
 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

この地域はA型肝炎、B型肝炎、腸チフスなどのリスク地です。
キューバ、ドミニカ共和国、グレナダ、ハイチの4か国は狂犬病のリスク地です。 その他の地域はリスク地ではありません。
トリニダード・トバコは黄熱のリスク地です。
日本脳炎のリスクはありません。
ポリオのリスクもありません。

 
3.お勧めの予防接種
 

黄熱

トリニダード・トバコへの渡航者

破傷風

短期旅行者を含む全旅行者

A型肝炎

短期旅行者を含む全旅行者

B型肝炎

1か月以上の滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

腸チフス

短期旅行者を含む全旅行者

狂犬病

キューバ、ドミニカ共和国、グレナダ、ハイチなどに1か月以上滞在する場合
サイクリング、ハイキング、キャンピングその他の野外活動を計画している場合、野生動物保護活動家、獣医師、動物に興味を持つ幼児などは短期でも推奨

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた20歳未満の人
特に発病歴が無い人

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし))

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種 (種類、推奨接種時期、回数)
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより違います。下表に示した予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

 

黄熱

1歳以上(目的地がトリニダード・トバコの場合)

BCG

0−6月 (1回)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
現地校に入学する場合に3回目が必要なことがある

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
現地の製剤はDTwP

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
この地域ではTd又はTdap

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
現地の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

狂犬病

年齢規定なし

コレラ

2歳以上

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から開始して2回接種する製剤と、生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種がある
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

キューバではMenBCの定期接種が行われている模様
四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月以上

 
5.マラリア
 

最近、この地域で熱帯熱マラリアが増加しています。
マラリアの主症状は発熱、悪寒、発汗、頭痛、体の痛み、嘔気・嘔吐、疲労感などですが、熱帯熱は脳症を併発して死亡することがあり、非常に危険です。
現地では熱帯熱の発生情報に注意してください。熱帯熱のリスク地で生活する場合には、長袖シャツ、長ズボン、帽子などを着用し、蚊取り線香、昆虫忌避剤、蚊帳などを使用するなど、蚊に刺されない用心が必要です。離島に出かける際は、短期間の場合には、予防薬を服用してください。長期間滞在する際には待機治療薬が必要です。
メフロキン、ビブラマイシンなど一部の予防薬は日本で購入できます。
外国で購入する場合は偽薬に注意してください。

 
6.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

この地域は、赤痢、病原性大腸菌感染症、広東住血線虫症、ジアルジア症などの多種の経口感染性疾患のリスク地です。旅行中はストレスを避け、食事の前に手を洗い、沸騰させた湯、瓶詰めの水、炭酸飲料などを飲み、十分に加熱調理された食事を摂るなどの注意が必要です。生水を飲んではいけません。氷も危険です。

昆虫媒介感染症

この地域蚊が媒介するデング熱が存在します。マラリアの場合と同様に、長ズボン、長袖シャツ、帽子の着用、昆虫避けスプレー剤とか蚊取り線香の使用などにより身を守る必要があります。エアコンとか昆虫避けの網戸が設置された部屋の使用、ペルメトリン処理が施された蚊帳の使用なども重要です。

動物からの感染症

この地域には狂犬病が存在するので予防接種を受けていない人は特に注意が必要です。野犬、その他の野生動物は勿論危険ですが、飼い犬、飼いネコ、その他の一見健康そうに見えるペット類も危険です。咬まれたり、引掻かれたりした場合には、直ちに石鹸でよく洗い、医師のところに駆け付けて、手当てを受けてください。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎、HIV/AIDS、クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス感染症など多くの病気がありますが、この地域にはHIV/AIDS感染が非常に多い。
空気・飛沫感染症 肺結核のリスク地域です。感染の疑いが生じた場合には健康診断を受けてください。この地域には、方々に、ヒストプラズマ症の常在地があり、旅行者間に感染者が発生しているので注意しなさいと米国疾病対策センター(CDC)が警告しています。

経皮感染症

レプトスピラ症などが存在するので河川とか湖に素足で入るのは危険です。水泳は勿論危険ですが、激流下りなどのスポーツも危険を伴います。
 
7.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報(抜粋)
 
2006-2007年にジャマイカで熱帯熱マラリアが発生 (発病557人)
2003年にハイチで腸チフスが発生 (発病:200人、死亡:40人)