森次医院では海外赴任、出張、留学、ボランティア、観光旅行など、海外渡航の予防接種や健康相談などを専門に行い、往診にも対応しています。

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アフリカ中央部の感染症と予防接種

1.対象国、地域
 

アンゴラ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、
コンゴ民主共和国(ザイール)、赤道ギニア、ガボン、スーダン、ザンビア

 
2.予防接種が有効な感染症の状況
 

この地域は全体がA型肝炎、B型肝炎、腸チフス、狂犬病などのリスク地です。
日本脳炎のリスクはありません。
世界保健機関(WHO)はザンビアを除く全域を黄熱のリスク地としています。
カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、スーダンの4か国は髄膜炎ベルト地域に含まれます。12月から6月までの乾期が流行期です。主な起因菌はA群ですが、C群とW135群もあります。
アンゴラ、スーダン、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国などには野生ポリオが常在しています。
この地域では麻疹のリスクがあります。
アンゴラとスーダンはコレラのリスク地です。
コンゴ民主共和国では、毎年、約1000人の肺ペスト患者が発生しています。

 
3.お勧めの予防接種
 

黄熱

短期旅行者を含む全旅行者

破傷風トキソイド

短期旅行者を含む全旅行者

A型肝炎

短期旅行者を含む全旅行者

B型肝炎

1か月以上の滞在予定者 (医療関係者は短期でも推奨)

腸チフス

短期旅行者を含む全旅行者

狂犬病

1か月以上の滞在予定者
サイクリング、ハイキング、キャンピングその他の野外活動を計画している旅行者、野生動物保護活動家、獣医師、動物に興味を持つ幼児などは短期でも推奨

髄膜炎

カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、スーダンなどに6か月以上滞在する場合
12月から6月までの流行期に同地域を旅行する場合は短期でも推奨
推奨ワクチンはA、C、Y、W135の4群を含む結合製剤又は多糖体製剤

経口ポリオ

1975−1977年生れの人は追加接種
目的地がアンゴラ、コンゴ、スーダンの場合は全員

コレラ

アンゴラとスーダンへの旅行者は流行情報に注意
リスク発生時の推奨ワクチンは経口製剤

麻疹、風疹、水痘おたふくかぜ

予防接種を受けていないか1回だけ受けた20歳未満の人
特に発病歴が無い人

ペスト

コンゴ民主共和国で医療活動とか野生げっ歯類の調査研究などに従事する場合は必須

インフルエンザ

60歳以上 (毎年受けていれば必要なし)

肺炎球菌(23価)

65歳以上

 
4.同伴されるお子様の予防接種の種類、接種時期、回数
 

外国では日本の定期予防接種だけでは不十分な場合があります。必要な予防接種の種類と回数は旅行期間などにより異なります。下表の予防接種の種類、接種時期、回数などを参考にしてお選びください。

 

黄熱

1歳以上

BCG

0−6月 (1回)

経口ポリオ(OPV)

3−8月、9−14月
渡航先がアンゴラ、コンゴ、スーダンの場合と、現地の国際校に入学する場合には3回目が必要

 ジフテリア・破傷風・
 百日咳混合(DTaP)

3−5月、4ー7月、5−8月、17−26月、4−6歳
この地域ではDTwPが使用されている

ジフテリア・破傷風混合(DT)

11‐12歳 (1回) 
以後は5−10年毎に破傷風トキソイドを追加
この地域の製剤はTd

麻疹・風疹混合(MR)

12−14月、4−19歳
現地の製剤は「おたふくかぜ」入りのMMR
最近、水痘を加えた新製剤(MMRV)が登場

おたふくかぜ(Mumps)

12−24月、4−19歳

水痘(Varicella)

12−24月、4−19歳

Hib

2月以上 (3回)

インフルエンザ

毎年2回 (13歳以上は1回でも良い)

B型肝炎

3月以上 (3回)

A型肝炎

1歳以上 (2回)

腸チフス

2歳以上

狂犬病

年齢規定なし

コレラ

2歳以上

肺炎球菌(7価)

2月、4月、6月、12‐15月
未接種者と回数不足者は2-5歳時に1回
6歳以上は必要なし

ロタウイルス

生後6‐24週齢から開始して2回接種する製剤と、生後2月、4月、6月の3回接種製剤の2種がある
8月齢以上は必要なし

髄膜炎

四価(A/C/Y/W135)多糖体製剤と結合製剤は2歳以上
単価結合製剤(MenC)は2月以上

 
5.マラリア
 

この地域の標高2000メートル以下は全域が熱帯熱マラリアのリスク地です。
マラリアの主な症状は発熱、悪寒、発汗、頭痛、体の痛み、嘔気・嘔吐、疲労感などですが、熱帯熱は脳症を併発して死亡することがあり、非常に危険です。
長袖の衣服、蚊取り線香、昆虫忌避剤、蚊帳の使用など、蚊に刺されないための用心と予防薬の準備が必要です。
僻地に滞在する際には緊急待機治療薬を携行する必要があります。
メフロキン、ビブラマイシンなど一部の予防薬は日本で購入できます。
外国で購入する場合は偽薬に注意してください。

 
.ワクチンにより予防できない感染症
 

経口感染症

この地域は、赤痢、病原性大腸菌感染症、アメーバ赤痢、ジアルジア症などの多種の経口感染性疾患のリスク地です。
旅行中はストレスを避け、食事の前に手を洗い、沸騰させた湯、瓶詰めの水、炭酸飲料などを飲み、十分に加熱調理された食事を摂るなどの注意が必要です。生水を飲んではいけません。氷も危険です。

昆虫媒介感染症

この地域には、黄熱、マラリア、デング熱、西ナイル熱、フィラリア症、オンコセルカ症などの蚊が媒介する疾患、マダニが媒介するクリミヤ・コンゴ出血熱、ツェツェバエが媒介する睡眠病、サシチョウバエが媒介するリューシマニア症などが存在します。
これらの昆虫媒介性疾患に感染しないためには、長ズボン、長袖シャツ、帽子の着用、昆虫避けスプレー剤とか蚊取り線香の使用などにより、虫刺されから身を守る必要があります。エアコンとか昆虫避けの網戸が設置された部屋の使用、ペルメトリン処理が施された蚊帳の使用なども重要です。

動物からの感染症

この地域には狂犬病、ラッサ熱、マールブルグ熱などの動物から感染する危険な病気が存在します。コウモリが生息している洞窟探検旅行は非常に危険です。
野犬、その他の野生動物は勿論危険ですが、飼い犬、飼いネコ、その他の一見健康そうに見えるペット類も危険です。咬まれたり、引掻かれたりした場合には、直ちに石鹸でよく洗い、医師のところに駆け付けて、手当てを受けてください。

性感染症、輸血・
薬物乱用感染症

B型肝炎、HIV/AIDS、クラミジア、淋病、梅毒、ヘルペス、ヒトパピローマウイルス感染症など多くの病気があります。この地域はHIV/AIDS感染が非常に多い地域です。
空気・飛沫感染症 髄膜炎と肺ペストには特定の危険地域がありますが、肺結核は全体がリスク地域です。感染の疑いが生じた場合には健康診断を受けてください。

経皮感染症

住血吸虫症、レプトスピラ症などが存在するので河川とか湖に素足で入るのは危険です。水泳は勿論危険ですが、激流下りなどのスポーツも危険です。
 
7.世界保健機関(WHO)のアウトブレーク情報 (抜粋)
2008年にザンビアと南ア連邦で新種のアレナウイルス(ラッサ熱と同種ウイルス)
患者が発生 (2008年10月現在、発病:4人、死亡:3人)
2008年からコンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生中
(2008年12月末現在、確定:3人、疑い:36人、死亡:12人)
2008年に中央アフリカ共和国で黄熱が発生 (2008年12月までの確定患者:2人)
2008年1‐2月にサハラ砂漠南部の髄膜炎ベルト地帯に含まれるスーダン南部、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国などで髄膜炎が発生
(髄膜炎ベルト地帯全域での発病:2312人、死亡:324人)
2007年にコンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生 (確定患者:25人)
2007年にコンゴ民主共和国とアンゴラの国境地域で麻痺ポリオが発生 
(発病:36人)
2007年にスーダンでリフトバレー熱が発生 (発病:698人、死亡:222人)
2007年にスーダンで髄膜炎が発生 (発病:6946人、死亡:430人)
2006年にスーダンでコレラが発生 (発病:18194人、死亡:553人)
2006年にコンゴ民主共和国で肺ペストが発生 (擬似患者:1174人、死亡:50人)
2006年の髄膜炎ベルト地帯の発生状況 (発病:5719人、死亡:580人)
2006年にアンゴラでコレラが発生 (発病:46785人、死亡:1893人)
2005年にスーダンで黄熱病が発生 (発病:565人、死亡:143人)
2005年のチャドとスーダンの髄膜炎発生状況 (発病:458人、死亡:58人)
2005年にアンゴラでマールブルグ出血熱が発生 (発病:374人、死亡:329人)
2005年にコンゴ民主共和国でペストが発生 (擬似患者:130人、死亡:57人)
2005年にコンゴでエボラ出血熱が発生 (発病:12人、死亡:9人)
2004-2005年にコンゴ民主共和国で腸チフスが発生 
(発病:42564人、死亡:241人)
2004年にカメルーン、チャドでコレラが発生 (発病:4995人、死亡:142人)
2004年にチャドとスーダンでE型肝炎が発生 (発病:8338人、死亡:133人)
2004年にスーダンでエボラ出血熱が発生 (発病:17人、死亡: 7人)
2004年のチャド、中央アフリカ共和国などで髄膜炎が発生 
(発病:62人、死亡:11人)
2004年にカメルーン、ザンビアから南ア連邦一帯でコレラが発生 
(発病:11435人、死亡:297人)
2003-2004年にザイールでエボラ出血熱が発生 (発病:178人、死亡:157人)
2003年に中央アフリカ共和国で赤痢が発生 (発病:379人、死亡:23人)
2003年にスーダンで黄熱病が発生 (発病:178、死亡:27)
2002年にコンゴ人民共和国で髄膜炎が発生 (発病:893人、死亡:104人)
2001-2002年にコンゴ人民共和国でエボラ出血熱が発生
(発病:79人、死亡:64人)